こんにちは、レザークラフターのファン(@one_quarter_)です。

レザークラフトをご存知ですか?
財布やキーケース、バッグなど革製品をお持ちの方も多いと思います。
最近は合成皮革が安価で見た目も良いため、お手頃な商品によく使われていますね。
ですが、やはり本革の財布などをお持ちの方は、本革の方が耐久性が高く、使うにつれて馴染んでいい味がでると感じている方も少なくはないのではないでしょうか?
そんな革製品を作ることをレザークラフトと言います。
今回はレザークラフトを始めるときに必要なものについてご紹介したいと思います。
目次
私がレザークラフトをしようと思ったきっかけ
話は変わりますが、私は仕事はデスクワークがメインなのですが、仕事中に音楽を聴く方が集中できます。
現在の職場は暗黙的に音楽を聴くことを許可されている(とまで言っていいかはわかりませんが、みんな聞いていて怒られた人はいない)状況のため、ひとりで黙々と作業するときなどは音楽を聴いています。
そこで以下のメーカーの音楽プレーヤー(私が購入したものは廃盤)を購入したのですが、プレーヤーが比較的マイナーなため、専用ケースがないのです。
そこでいつものように、じゃあ作っちゃおう!となりました。
では、何で作るか考えたとき、やっぱり革でしょ!と思い、レザークラフトについて調べ始めました。
私は自分で作ることに対して、作る楽しさだけでなく、作った方が安くいいものができるというのを達成感として感じていますので、できるだけ低いコストでいい材料、道具をそろえようと考えました。
格安でレザークラフトを始めるための入門材料(レザー、革)
ハギレ
まず、材料についてですが、入門としては「ハギレ」一択だと思います。
レザークラフトを始めるときは、キーホルダーなど、小物から入ることが多いです。
と言うより、いきなり大きいものは作っても綺麗にできないと思いますので、小さいものからやるのが無難です。
また、キーホルダーひとつといえども主なレザークラフトの技術が詰まっているので、最初に作るのにおすすめです。

これについては別記事でキーホルダー作りを例に紹介したいと思います
ハギレの入手先ですが、私はまずどんな種類・色のレザーがあるか見て確かめたかったため、東急ハンズでハギレのパックを購入しました。
500gで¥1,620(¥1,500+税)でした。
大きいものでA5サイズぐらいのものが数枚と細かいものがいくつか入っていました。
色も様々で、オーソドックスなヌメ革(ベージュ)ブラウン系からブルー系、グリーン系、レッド系、ブラック系が入っていました。

左が売っていた袋で、右がすでに使ってさらに端材となったものです。

上記の袋から出して広げるとこんな感じです。すでに3〜4枚使ったのでその分を追加して考えていただけると全体のイメージがしやすいかと思います。
Amazonなどでも買えるようで、調べていて評判のいいハギレはこちらです。
格安で揃える最低限レザークラフトに必要な道具
道具についてですが、調べてみると「レザークラフト入門◯点セット」といった商品がいくつかあり、それらの評判も悪くはないようです。
自分が調べた限りはそのようなセットでもいいかと思いましたが、バラで買ってもあまり総額は変わらなそうであることと、ひとつずつ選びたいと思い、バラで揃えることにしました。
参考:10点セットで¥4,500ぐらい(2018年8月時点)

ひとまず私が最初に買った道具を価格、購入場所と一緒に一覧にします
レザークラフトの道具一覧
- 切る
(1) 丸ギリ(¥108@100均)
(2) カッター(¥108@100均)
(3) カッターマット(¥108@100均) - 床面磨き、コバ磨き
(床面の読み方:とこめん、意味:裏面のこと、コバの意味:切断面のこと)
(4)トコノール(¥583@東急ハンズ)
(5) スリッカー(¥108@100均) - 縫い合わせ
(6) 2本菱目打ち(¥1,026@東急ハンズ)
(7) 手縫い針[短](¥226@東急ハンズ)
(8) ロウ引き糸25m(¥507@東急ハンズ)
(9) ボンド(¥108@100均)
(10) ゴム板(¥500ぐらい@東急ハンズ)
(11) ハンマー(¥108@100均) - 穴あけ
(12) ロータリーレザーパンチ(¥899@Amazon)(2018年8月時点) - バネホック(ボタン)
(13)打ち具、バネホック120組セット(¥1,390@Amazon)(2018年8月時点) - カシメ
(14)両面カシメ打ち具(¥324@オカダヤ)、両面カシメ(15組)(¥324@オカダヤ) - ハトメ
(15) ハトメパンチ、ハトメ6個セット(¥216@ダイソー)


レザークラフトの道具の説明
ここからそれぞれの道具について、使い方を説明していきます。
(1) 丸ギリ(¥108@100均)
切るためのガイドとなる線を引くために使います。
基本的には型紙を作り、革の銀面(毛羽立っていない方)に当て、輪郭をなぞることで切断するラインを引きます。
丸ギリ以外では銀ペンと呼ばれる革用のチャコペンのようなものを使うこともできますが、個人的には丸ギリで十分です。
また、この丸ギリですが、先端が尖っていて持ちやすければ良いので、ダイソーなどの100均で購入できます。
参考:銀ペン
(2) カッター(¥108@100均)
革を切断するのに使います。
革包丁という専用工具もありますが、素人にはカッターの方が使いやすいです。
私も実際にカッターを使っていますが、問題なく切断できています。
こちらももちろん100均などで購入できます。
参考:革包丁
(3) カッターマット(¥108@100均)
革を切断するときの下敷きに使用します。
こちらも安価でも構わないので、100均などで購入します。
ただ、100均のマットは薄いので、耐久性は高い製品よりは低いように感じます。
参考:
(4) トコノール(¥583@東急ハンズ)
本革は裏面のことを床面(とこめん)と呼びますが、こちらが表(銀面と呼びます)と比べて毛羽立っています。
そこで、トコノールと呼ばれる床面につけるワックスを使って、床面やコバ(切断面)を滑らかに磨きます。
いろいろ調べましたが、トコノールが一番有名でよく使われているようです。
そこまで高価ではないので、1つ持っておけばかなり持ちます。
私は東急ハンズでトコノールを購入しました。
(5)スリッカー(¥108@100均)
床面磨き、コバ磨きをする際に、手ではなくスリッカーと呼ばれる木の棒のようなものでトコノールを延ばして磨きます。
大きな革の場合はガラス板を使って磨く方が良さそうですが、入門としてはあまり大きなものは作らないと思うので、スリッカーで十分です。
また、専用のスリッカーは少し高いため、形の似ている100均のツボ押し棒で代用しています。

今の所全く問題ありません
ただ、専用のスリッカーと比べて少し棒の表面がザラザラしているので、専用のスリッカーを使えばもっと綺麗になるかもしれません。
もし専用のスリッカーを買うことがあったら比較記事を書きたいと思います。
参考:スリッカー
参考:ガラス板
(6) 2本菱目打ち(¥1,026@東急ハンズ)
革同士を縫い合わせたり、ステッチを縫ったりするために使います。
革は布と違ってとても硬いため、針で貫通させるのが困難です。
そのため、縫い目に沿って先に穴を空けてから糸を通し縫っていきます。

この穴あけに使うのが菱目打ちです
今回ご紹介するのは2本菱目打ちですが、縫い目が直線が長い場合は4本や6本の方が綺麗に仕上がります。
ですが、縫い目がカーブの場合は2本や1本の菱目打ちでないと曲げることができません。
そこで、最初としては2本菱目打ちがあれば、直線にもカーブにも対応できますので、2本菱目打ちを購入することをお勧めします。
ただ、よりキツいカーブや直線をより綺麗にするには他の本数のものも追加で購入するのがいいと思います。

私は2本菱目打ちと4本菱目打ちを東急ハンズ購入しました
私が購入したメーカーはこちら↓
また、菱目打ちには間隔にバリエーションがあります。
間隔はどれを使うのが良いかはデザインにも関係しますので、製品などを見てどれくらいの間隔がどのように見えるのか、お店で見て参考にしています。

普段は着目しない視点からみるのはなかなか面白いものですよ!
私はネットで調べつつ、実際にサンプルを見て、良さそうだった2.5mm間隔のものを購入しました。
少し縫い目が細かい感じがしますが、ひとまずはこれで良さそうです。
こちらも必要になり次第追加で購入していきたいと思います。
参考:4本菱目打ち
(7) 手縫い針[短](¥226@東急ハンズ)
菱目打ちで穴を空けたら、穴に糸を通して縫っていきます。
このときに使う手縫い針ですが、布用の裁縫道具とは異なる針を使用します。
布用の針との違いとしては、針が太く、糸通し穴が大きく、針の先端が尖っていない、の3点が挙げられます。
自分は東急ハンズで短いタイプ(長さ54mm)を購入しましたが、キーホルダー等の小物を作るには問題なく使用できています。
私が購入した手縫い針はこちらです。
(8) ロウ引き糸25m(¥507@東急ハンズ)
縫い合わせる際に使用する糸は、普通の糸と異なります。
違いは、太さと表面にロウがコーティングされていることです。
なぜロウをコーティングするかということですが、縫うときの滑りを良くし、縫い終わって使用しているときの毛羽立ちを抑えることで、糸の強度を保つ効果があります。
麻糸とロウを個別に買って自分でロウをコーティングすること(ロウ引きと言います)もできますが、ロウ引き済みのものが楽ですので、最初はこれがいいと思います。
また、糸の太さにも種類がありますが、私は#5という太さ約0.5mmのものを購入しました。
菱目打ち2.5mmではこれでちょうどいいと思います。
私が購入したロウ引き糸はこちらです。
(9) ボンド(¥108@100均)
縫い終わりの糸を固定するために使います。
一般的なボンドで良いようで、こちらも100均で購入できますし、すでに持っている方も多いのではないでしょうか。
(10) ゴム板(¥500ぐらい@東急ハンズ)、(11) ハンマー(¥108@100均)
菱目打ちで穴を空ける際に、ゴム板とハンマーを使います。
ゴム板に革を置き、菱目打ちを革に当て、菱目打ちのお尻をハンマーで叩くことで穴を空けます。
ハンマーはどんなものでも良いかと思いますが、下敷きとしてはカッターマットでは貫通してしまいそうですので、ある程度厚さのあるゴム板が良いと思います。
私は、東急ハンズで100×100×10mmのものを購入しましたが、貫通することもなく問題なく使えています。
ハンマーはダイソーで購入したものを使っています。
参考:ゴム板
また、菱目打ちを叩くのが一般的な穴あけ方法ですが、マンションやアパートでは音が大きく、近所が気になることがあると思います。
私はこちらを参考に穴あけツールを自作しましたので、今後記事にしていきたいと思います。
(12) ロータリーレザーパンチ(¥899@Amazon)(2018年8月時点)
この次に説明するバネホック(ボタン)、カシメ、ハトメなどの下穴を空けるために使います。
穴あけはハンマーで叩いて穴を空けるタイプのポンチがありますが、菱目打ちと同じように叩くと音が気になります。
そこで、叩かなくても何種類かのサイズの穴を空けることができるロータリーレザーパンチがおすすめです。
これは、2.0〜4.5mmの穴を空けることができ、バネホックとカシメの下穴には十分使うことができています。
私はAmazonで安く手に入りましたので、こちらを使っています。
(13) 打ち具、バネホック120組セット(¥1,390@Amazon)(2018年8月時点)
レザークラフトでは開け閉めのロックなどによくバネホックを使います。
いわゆるボタンみたいな付けたり外したりできるアレです(下の画像をご参照ください)。
日本製のものですとHASI HATOが有名ですが、入門としてはもう少し安価でもいいと思い、こちらを購入しました。
打ち具付きで120組のバネホックが入っていますので、当分バネホックには困らないと思います笑。

安いのでしょうがないですが、数個は曲がっていたりダメになっていたものが入っていました
実際の使用感としては、冒頭のオーディオプレイヤーのケースの留め具として約2年使っていますが、壊れることもなく問題なく使用できています。
左がバネホック、右のリング根元の黒いものがカシメです。

(14) 両面カシメ打ち具(¥324@オカダヤ)、両面カシメ(15組)(¥324@オカダヤ)
バネホックのように付け外しをしなくて良く、固定に使いたい場合はカシメを使うことがあります。
縫って固定するかカシメで固定するかはデザイン性などを考えて使い分けています。

ただ、縫うよりカシメの方が楽ですね…
今回は表も裏も綺麗になっている両面カシメを購入しましたが、片面のカシメや、金属ではなくプラスチック?でコーティングされていて、いろんな色のものも売っていますので、実際にお店で見てみるのも楽しいですよ。
私はオカダヤの実店舗で購入しましたが、オンラインショップはこちらです。
バネホックと同じようにAmazonではこんな大入りのものもあるようです。今のものが無くなったら、こちらを使ってみたいと思います。
(15) ハトメパンチ、ハトメ6個セット(¥216@ダイソー)
ハトメは、カシメと同じように付けたり外したりはできないものです。
カシメと違うのは、中心に穴が空いている点です。
そこに紐を通したり、キーホルダーでよく使われている2重リングを通したりして使用します。
ダイソーで¥216で売っていたため、思わず衝動買いしてしまいましたが、このサイズの穴を空けるパンチを持っていないので、まだ使っていません(^^;)。
参考:
予算の例
以上、ひとまずレザークラフトを始められる材料・道具をご紹介しました。
作るものによっては必ずしも全てが必要というわけではないので、用途に応じて予算の例(2018年8月時点)をご紹介します。
キーホルダーの例(縫うだけ)
キーホルダーを作るのに必要なのは、「切る」「磨く」「縫う」の3つですので、何もない状態から始める予算は以下になります。
- ハギレ ¥1,620
- 切る ¥324
- 磨く ¥692
- 縫う ¥2,475
オーディオプレイヤーケースの例(バネホックだけ)
オーディオプレイヤーケースを作るのに必要なのは、「切る」「磨く」「バネホック」の3つですので、何もない状態から始める予算は以下になります。
- ハギレ ¥1,620
- 切る ¥324
- 磨く ¥692
- バネホック ¥2,289

作り方はこちら!
レザートレイ(縁ステッチあり)の例(縫う+カシメ)
レザートレイ(縁ステッチあり)を作るのに必要なのは、「切る」「磨く」「縫う」「カシメ」の4つですので、何もない状態から始める予算は以下になります。
- 切る ¥324
- 磨く ¥692
- 縫う ¥2,475
- カシメ ¥1,547
予算のまとめ
上記のように、3つほど例を挙げて、ゼロからレザークラフトを始めた場合の予算をご紹介しました。
- ハギレで約1,500円
- 基本の「切る」、「磨く」道具で約1,000円
- 「縫う」または「バネホックのみ」で約2,000円追加で合計約5,000円
- 「縫う」かつ「バネホックなど」の全部入りでも合計約6,500円で揃う
といった予算の例になります。
レザークラフト入門セットでも良いと思いますが、自分で道具を選びたい方、同等品は100均でもいいんじゃない?と考える方の参考になればと思います。
もちろん、カッターやハンマーなどは一般的にもお持ちの方が多いかと思いますので、もう数百円は安くなる方も多いかと思います。
また、今回は材料も含めていますので、ハギレ、ロウ引き糸、バネホックなど、今回購入したもののみで、小物なら10点以上作ることができると思います!

そう考えれば格安ではないでしょうか!?
まとめ
今回は最低限の材料・道具で格安にゼロからレザークラフトを始める方法をご紹介しました。
レザークラフト入門セットと比較しても、同等以下の値段で揃えることができると思います。
また、ひとつひとつ材料や道具を見て選びますので、納得した上で道具を揃えることができるのが最大のメリットだと考えています。

逆に、選ぶのが面倒だという方は入門セットを購入するのもひとつの手かもしれません
格安で自分の納得したものが欲しい、調べたり選ぶのが楽しいという方には、今回のように自分で選んで購入することをオススメします。
大変長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今後、入門のキーホルダーの作り方や、自分が作ったものの紹介などしていきたいと思います(^-^)/
私が最初に作ったオーディオプレイヤーケース:
私の作ったもの紹介: