こんにちは、自作のスモーカーで燻製を楽しんでいるファン(@one_quarter_)です。
スモーカーを手に入れたのはいいけど、スモークウッドだけでは温度が上がりきらないし、コンロでの調整も大変…
と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そう思っている方のお手伝いができればと思い、電気で調整も簡単なヒーターを作ってみましたので、ご紹介したいと思います。
目次
作りたいもの
今回実現したい、「電気で調整が簡単なヒーター」は、市販品で構成すると以下の2つの商品の組み合わせになります。
サーモスタットにヒーターをつなぎ、サーモスタットのセンサーで測ったスモーカー内の温度に応じて、ヒーターを自動でオンオフしてくれるというものです。
市販品として購入すると合わせて、8200円ほどしますが、材料費は1/3以下になります。
今回は、その中でもヒーター部分の作り方をご紹介します
出来上がるものを見た方がわかりやすいと思いますので、完成したものがこちらになります。
耐熱レンガに溝を掘り、そこにコイル状にしたニクロム線をはめて、電気を通すと発熱するというものです。市販品とほぼ同じ構成です。
燻製用ヒーターの材料
これを実現するために必要な材料はこちらです。
- 耐熱レンガ
- ニクロム線
- 丸型端子
- M3ボルト&ナット
- 延長コード
- L型金具
耐火レンガ
耐熱レンガは、加工しやすいものを選びます。
私は東急ハンズの以下のものを使っています。
100均の金鋸で簡単に切れ目を入れることができます。
ニクロム線
ニクロム線は抵抗値によって使う長さが変わるので、そこだけ計算して購入します。
私は東急ハンズでニクロム線を購入し、300Wになるように切って使っています。
100Vで300W(実効値)だと抵抗値は33.3Ωになります
丸型端子
丸型端子は、ニクロム線の端と延長コードの端をボルトでつなぐために使います。
特に指定はありませんが、延長コードの芯の径に合わせて用意しました。
M3ボルトナット、延長コード、L型金具
L型金具とM3ボルトはホームセンターで選びました。
M3ボルトは、ニクロム線と延長コードを耐熱レンガを挟んで導通させるようにつなぐため、耐熱レンガの厚さぐらいの長さが必要です。
延長コードは100均で1mのものを使っています。
L型金具は、耐熱レンガが倒れないようにするための足として使いますので、その目的が満たせれば何でも大丈夫です。
必要な工具
必要な工具はこちらです。
- 金鋸
- ドリル
- 鉛筆
- 圧着工具
- ニッパー
- カッター
- スパナかラジオペンチ
使い方については作り方の中で説明します
燻製用ヒーターの作り方
1. 耐火レンガを加工する
まず、耐熱レンガにニクロム線のコイルをはめる溝を作ります。
コイルの太さを決めたら、その太さの溝を横に作るように鉛筆で線を書きます。
耐熱レンガを立てた時に、上の方にコイルが来るようにするため、壁→溝→壁→溝の順に溝を4本掘るように線を引きます。
線を引いたら、100均の金鋸で溝の内側に当たる線をコイルの太さと同じ深さになるように切れ目を入れます。
切れ目が入ったら、溝になる部分をマイナスドライバーとハンマーで砕いて溝にします。
強すぎて割ってしまわないように気をつけてください
最後に、コイルが折り返す部分の壁をコイルの太さの分だけ砕き、コイル端の丸型端子の位置に、3ミリのドリルで穴を貫通させます。
また、転倒防止のL型金具を留めるためのM3ボルトの穴を貫通させておきます。
穴の位置は現物あわせでL型金具を当ててみて穴位置を決めました。
これで、耐熱レンガの加工は完了です。
2. ニクロム線を加工する
ニクロム線でコイルを作っていきますが、この時にヒーターの強さを考えます。
スモーカーが大きいほど、強いヒーターが必要になりますが、私の自作したスモーカー(30×30×60センチ)ですと、結果として300Wで十分でした。
私の場合はニクロム線を買ってきて、抵抗値を測り、必要な長さに切ってコイルにしましたが、すでにコイルになっているものをそのまま使ってもいいと思います。
自分でコイルを作る場合は、抵抗値のわかるニクロム線を買うか、わからない場合はテスターで自分で測る必要があります。
私はテスターを持っていましたので、一番安いニクロム線を買ってきて、自分で抵抗値を図って長さを決めました。
電子工作をする方は、一つ持っておいて損はないと思います
3. 延長コードを加工する
そして電源コードとして、100均の1mの延長コードを加工します。
延長コードのメス側をニッパーで切り、2本の線それぞれに丸形端子を圧着します。
私は延長コードの間に市販のスイッチを入れましたが、サーモスタットで使用するなら特に必要なかったです
私が購入したものは芯が細い芯をまとめたヨリ線になっていましたので、使うに連れて外側の芯が何本か切れていってしまいました。
私は線の被覆をカシメるタイプの丸形端子ではなかったため、切れていってしまいましたが、被覆もカシメるタイプの方が安心できそうです。
4. 組み立てる
最後に、加工した3つのパーツを組み立てます。
組み立てといっても、M3ボルトで部品を繋ぐだけです。
まず、ニクロム線のコイルを耐熱レンガの溝にはめます。
そして、丸形端子にワッシャーを当ててM3ボルトを耐熱レンガを貫通させるように通します。
写真では、2本のニクロム線コイルを丸形端子で繋いでいますが、一続きにして問題ありません
裏側のボルトに電源コードの丸形端子を通し、ワッシャー、ナットの順に通して、緩まないようにスパナかラジオペンチで締めます。
締めすぎると耐熱レンガが割れてしまうので、様子を見て力を加減しながら緩まない程度に締めていきます。
2020.4 追記
このままでは電熱線が浮いてきてしまったので、改良方法を以下で紹介しています↓
最後に、転倒防止用のL型金具をM3ボルトで固定したら完成です。
注意点ですが、電源コードの2本の線がくっついている状態でコンセントに挿すとショートして火花が散ったり、ブレーカーが落ちたりしてしまう危険性がありますので、くれぐれもショートしないように使用してください。
本当は、電気を通さないもので端子を覆っておきたいところですが、自己責任で使用する範囲ということで、私はつけていません。
あくまで自己責任で作ってみてくださいね
自作したヒーターを使ってみた
私はこのヒーターを1年以上使っていますが、使い勝手はすごくいいです。
私の持っているスモーカーは30×30×60センチの大きさですが、加熱能力は十分です。
ただ、使うにつれて、延長コードの端子接続の芯が少しずつ切れて行ってしまうので、そこだけ毎回問題ないか確認しています。
今のところ、少し切れているだけなのでそのまま使っていますが、もっと切れたら端子の付け直しが必要だと思います
また、ニクロム線が溝にはまっているだけなので、コイルの太さが少し溝より細いため、ゆらすとレンガから外れてしまいます。
ゆらさなければ出てこないので大丈夫ですが、安心するためには溝にキッチリはまるように太さを調整すればよかったと思っています。
まとめ
今回は、燻製用のヒーターを耐熱レンガとニクロム線を使って自作する方法をご紹介しました。
市販のものを買うより、安上がりに作ることができました。
性能としても問題ありませんので、安く済ませたい方、カスタマイズしたい方、作るのが好きな方、作って見てはいかがでしょうか?
ただ、電気関係の自作になりますので、くれぐれもショートしないように気をつけて、自己責任でやって見てくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
びっくり
今まさに、冷燻用に自作コンロ作ろうとしていたところです。
お仲間が居たとは、すげー嬉しい。
今年は半身サーモンのいいのが手に入らないので
切り身用に小型の冷燻器をにしようと思っています。
私は100wとALC(拾ってきた)で小型のものを作る予定です。
普段は岡持ちやスチールロッカーで作っています。
コメントありがとうございます。
サーモンの切り身用の冷燻機、いいですね!
私は陶芸用の電気窯を耐火レンガで自作しているのを見かけて耐火レンガにしましたが、ALCでも良さそうですね!
私もスチールロッカーほどとは行かないまでも、もう少し大きな燻製機が欲しくなってきたので、拡張しようか考えているところです。